面痩おもやせ)” の例文
にぎしき家の外にも淋敷さびしきこゝの庭木にも夜一夜よひとよ木枯の吹あれて、あくるあしたよりあわれ父翁の面痩おもやせにたちぬ。
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
可哀かあいや我故身形みなりかまはず此寒空このさむそらあはせ一ツ寒き樣子は見せねども此頃は苦勞の故か面痩おもやせも見えて一入ひとしほ不便に思ふなり今宵は何方いづかたへ行しにや最早初更しよや近きにもどねば晝は身なり窶然みすぼらしく金の才覺さいかくにも出歩行あるかれぬ故夜に入て才覺に出行しか女の夜道は不用心ぶようじんもし惡者わるもの出會であはぬか提灯ちやうちんは持ち行しか是と云も皆我が身のある故なり生甲斐いきがひもなき身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)