面倒臭めんどうくさ)” の例文
面倒臭めんどうくさかったんですよ、親分。掛り合いで引張り出されると酒の味が悪くなるからね、——が、もう酒もたくさん、言うだけのことを
ぼくはものを感じるのは、まあ人並ひとなみだろうと、思っていますが、おぼえるのは、面倒臭めんどうくさいと考えるゆえもあって、自信がありません。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
清作はもちろん弁解のことばなどはありませんでしたし、面倒臭めんどうくさくなったら喧嘩けんかしてやろうとおもって、いきなり空を向いて咽喉のどいっぱい
かしわばやしの夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
といった風情ふぜい面倒臭めんどうくさそうに衣服きものを着ていたから、わしは何にも問わずに小さくなって黙ってひかえた。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わず半里はんりか一となりのむらくのにさえ、やれ従者ともだ、輿物のりものだ、御召換おめしがえだ……、半日はんにちもかかって大騒おおさわぎをせねばならぬような、あんな面倒臭めんどうくさ現世げんせ生活せいかつおくりながら
しかしいざとなって、半切はんきれを取り上げると、書く事はたくさんあるが、何から書き出していいか、わからない。あれにしようか、あれは面倒臭めんどうくさい。これにしようか、これはつまらない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
是は八丁堀の神谷通かみやどおりの角の瀬戸物屋で買うとやすいよ、四銭五厘ずつで六つ売りやす、それから中段ちゅうだんの箱の中へ菜をでて置くのだが、面倒臭めんどうくさいから洗わずに砂だらけのまゝ釜の中へ入れるのだ
そんならそれでいいではないかポイントマンだのタブレットだの面倒臭めんどうくさいことやめてしまえと斯う云うことになりますがどなたもご異議はありませんか。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
一口に言えば、面倒臭めんどうくさいので、一応は御断りを致したのであります。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると山男は面倒臭めんどうくさそうにふところから手を出して立ちあがりました。
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)