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雪解
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ゆきどけ
ふりがな文庫
“
雪解
(
ゆきどけ
)” の例文
草鞋
(
わらじ
)
の足音がぴちゃぴちゃと聞えるので
雪解
(
ゆきどけ
)
のひどい事が想像せられる。兼太郎は
寝過
(
ねすご
)
してかえっていい事をしたとも思った。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「川も春になると、
雪解
(
ゆきどけ
)
で水かさが増えるでええのう。かう水が
溢
(
あふ
)
れて、ゆつたり流れてゐるのは、気持のええものだわい。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
そこは今は凍りついてゐるが幾日か前の急な
雪解
(
ゆきどけ
)
の爲めに小川が溢れた所なのだ。私の坐つてゐる所からはソーンフィールドが見下された。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
漸
(
やうや
)
く
雪解
(
ゆきどけ
)
がすんだばかりなので、ところどころでちよろ/\
小流
(
こながれ
)
が出来てゐた。掘返へしても掘返へしても、かなり下の方まで土がぢく/\
濡
(
ぬれ
)
れてゐた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
川の水も真ん中で二つに分れて、左は湯のように熱く、右寄は
雪解
(
ゆきどけ
)
のようにひややかだった。その中央の一線に乗って、与惣次は矢のように走り下った。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
雪解
(
ゆきどけ
)
の日は、更に使い歩きが辛いのでした。かと思うと、ひどい霧の日が続きました。そんな時、街路は幾年か前セエラが初めて父と辻馬車を走らせた時のようでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
道は『
雪解
(
ゆきどけ
)
みち』になつて、朝のうちは氷つても
午
(
ひる
)
過ぎからは全くの泥道で、歩くのにまた難儀なのが幾日も幾日も続く。さういふ時には
草鞋
(
わらぢ
)
は毎日一足ぐらゐづつ切れた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
プリムロウズは山月桂樹の枝を少し取ったが、その葉は去年の葉だのに、霜や
雪解
(
ゆきどけ
)
が交代でその葉の組織で力試しをしたことなどはまるでなかったかのように、青々として弾力があった。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
『見られよ、郡兵衛殿、いずれもかように一念を遂げ、上野介殿の
首級
(
しるし
)
を泉岳寺へ持参する途中でござる。貴公は又、何用あって、この
雪解
(
ゆきどけ
)
のなかを、御苦労にもうろうろ歩いておられるのか』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
銚子河口や江戸川から冬中、海で育った小鮎が淡水に向かうのは三月下旬から四月中旬へかけて、
雪解
(
ゆきどけ
)
水が出はじめた頃であるが、人の肌を切るような冷たい水を小鮎は上流へ、上流へと遡っていく。
香魚と水質
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
あなたの烈しい恋愛が、最初
雪解
(
ゆきどけ
)
のした跡で
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
雪解
(
ゆきどけ
)
の
俄
(
にわか
)
に人のゆきゝかな
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
そこまでは村から
行程
(
かうてい
)
十四里である。第二日は、まだ暁にならぬうちに
志津
(
しづ
)
といふ村に著いて、そこで
先達
(
せんだつ
)
を頼んだ。それからの山道は
雪解
(
ゆきどけ
)
の水を渡るといふやうなところが度々あつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
雪解
(
ゆきどけ
)
の
雫
(
しずく
)
すれ/\に
干蒲団
(
ほしぶとん
)
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
流の岸は人造石の堤防で堅めてゐるので、水は割合に激せずに流れるのであるが、それでもその堤防の損じた処がところどころにある。恐らく春の
雪解
(
ゆきどけ
)
の季節に洪水のする
為業
(
しわざ
)
であるだらう。
イーサル川
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
雪
常用漢字
小2
部首:⾬
11画
解
常用漢字
小5
部首:⾓
13画
“雪解”で始まる語句
雪解水
雪解時
雪解風
雪解雫