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雨樋
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あまどい
ふりがな文庫
“
雨樋
(
あまどい
)” の例文
漆喰
(
しっくい
)
の割目から生え伸びているほどで、屋根は傾き塗料は剥げ、
雨樋
(
あまどい
)
は壊れ落ちて、
蛇腹
(
じゃばら
)
や破風は、海燕の巣で一面に覆われていた。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
金蔵の南の方に用水井戸がありますが、
井桁
(
いげた
)
が栗材で、これは石に縁がなく、
雨樋
(
あまどい
)
は水に縁があっても、
銅
(
あか
)
ですから
金
(
かね
)
に縁を生じます。
銭形平次捕物控:096 忍術指南
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この辺の雀は勝手がちがうためか、時には実に無法な巣の作り方をする。
雨樋
(
あまどい
)
の受口に
藁
(
わら
)
などを運んで来て、雨が降るたびに
直
(
す
)
ぐに流れる。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
軒下の暗がり伝いに足音を
窃
(
ぬす
)
み窃み、台所の角に取付けた新しいコールタ
塗
(
ぬり
)
の
雨樋
(
あまどい
)
をめぐって、裏手の風呂場と、納屋の物置の
廂合
(
ひさしあ
)
いの下に来た。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
政治狂が便所わきの
雨樋
(
あまどい
)
の朽ちた奴を……一雨ぐらいじゃ直ぐ乾く……握り壊して来る間に、お雪さんは、茸に敷いた山草を、あの小石の前へ挿しましたっけ。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
御堂の
大廂
(
おおびさし
)
から廻廊の
角
(
かど
)
へ下がっている
太竹
(
ふとだけ
)
の
雨樋
(
あまどい
)
を斬ったのじゃ、それがわたしの身代りになって、今朝までは二つに斬れてぶらんとしておりましたが、お坊さんが
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは扇の骨というような最も繊細な装置のみでなく、家屋の
雨樋
(
あまどい
)
にも使用する。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
まっ
直
(
すぐ
)
に
雨樋
(
あまどい
)
をおろした壁にはいろいろのポスタアの
剥
(
は
)
がれた
痕
(
あと
)
。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
葉子はふと
雨樋
(
あまどい
)
を伝う雨だれの音を聞いた。日本に帰ってから始めて空はしぐれていたのだ。
部屋
(
へや
)
の中は盛んな鉄びんの
湯気
(
ゆげ
)
でそう寒くはないけれども、戸外は薄ら寒い
日和
(
ひより
)
になっているらしかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
横木に少しの泥も付いてはいず、二本の脚が、柔かい土にメリ込んでもいず、梯子を掛けた竹の古い
雨樋
(
あまどい
)
も、少しも傷んではいなかったのです。
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜は
時雨
(
しぐれ
)
となったらしい。
雨樋
(
あまどい
)
をあふれる雨だれの音が烈しく軒下を打つ。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と言う声を後に二階の縁側の
欄干
(
らんかん
)
を越えると、
庇
(
ひさし
)
を渡って、腹ん這いに
雨樋
(
あまどい
)
に手が掛りました。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「御冗談で——、そんな怨みを買うあっしじゃありません。酔っ払って、下水へ転がり落ちるはずみに、
雨樋
(
あまどい
)
の先の
尖
(
とん
)
がったところで、ほんの少し引っ掻いただけなんで——」
銭形平次捕物控:044 お民の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「知りませんよ。屋根から
雨樋
(
あまどい
)
を伝わって降りて来たのは、この野郎だけで」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
雨
常用漢字
小1
部首:⾬
8画
樋
漢検準1級
部首:⽊
15画
“雨樋”で始まる語句
雨樋筒
雨樋飾