ひよこ)” の例文
雑巾をつかんで突っ立った、ませた、おちゃっぴいな小女こおんなの目に映じたのは、色の白い、卵からかえったばかりのひよこのような目をしている青年である。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
出來たひよこはまだら毛の
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
カステラいろのひよこらは
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひよこかかさん
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
「今別当さんが鶏を縛って持って行きよります。ひよこは置こうかと云いますが、置けと云いまっしょうか。」
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
朝起きて顔を洗いに出ると、春がひよこえたのを知らせた。石田は急いで顔を洗って台所へ出て見た。白い牝鶏の羽の間から、黄いろい雛の頭がのぞいているのである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
えたひよこは雌であった。至極丈夫で、見る見る大きくなる。大きくなるに連れて、羽の色が黒くなる。十日ばかりで全身真黒になってしまった。まるでからすの子のようである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
ごく若い。この間までお酌というひよこでいたのが、ようよう drueドリュウ になったのであろう。細面の頬にも鼻にも、天然らしい一抹いちまつ薄紅うすくれないみなぎっている。涼しい目のひとみに横から見れば緑色の反射がある。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)