雛鶏ひなどり)” の例文
旧字:雛鷄
鶏肉スープを製するには三百目位の新しい雛鶏ひなどりを骨ともにブツブツに切って水四合と小匙一杯の塩を加えて深い鉄鍋で沸立にたてます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
雛鶏ひなどり家鴨あひると羊肉の団子だんごとをしたぐし三本がしきりにかやされていて、のどかに燃ゆる火鉢ひばちからは、あぶり肉のうまそうなかお
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
ぴよぴよと啼くは雛鶏ひなどり。雀子はちゆちゆとさへづり、子を思ふ焼野の雉子きぎすけんけんと夜も高音うつ。現身うつしみの鳥の啼くのなぞもかく物あはれなる。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
管財人がつかまえることのできなかった一羽の黒い雛鶏ひなどり——夜のように黒くそして沈黙で、のどもならさないのでただ狐の餌食になるのを待つばかりなのが
チキンブローとは三百目位の雛鶏ひなどりを骨ともに細かく切って大匙二杯のお米と一緒に五合の水へ入れて塩を小匙一杯加えて弱い火で三時間以上気長に煮たものです。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
かおかおと啼くは鴉、ぴよぴよと啼くは雛鶏ひなどり、雀子はちゆちゆとさへづり、子を思ふ焼野の雉子きぎす、けんけんと高音たかねうつ。現身うつしみの鳥の啼くの、なぞもかく物あはれなる。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
妻君「それで四色出来ます。ここに雛鶏ひなどりの肉がありますね、これは何になさいます」お登和
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
まず二百五十目位な雛鶏ひなどりを骨付のまま五分位にブツブツに切ってお米五しゃく水五合とともに塩胡椒を加えて弱い火で気長に二時間ほど煮ます。ちょうど鶏を入れたおかゆのようなものです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第百十八 ボイルドチキン 病人には牛肉よりも鶏肉の方が消化も良くって味も軽いものですがしかしそれもとりによるので三百目位の雛鶏ひなどりでよく肥えた足のきいろいのでなければいけません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)