長々ながなが)” の例文
それで、王女のお父さまの王さまにも来ていただかないといけないというので、王子はいそいで長々ながながをおつかいに出しました。
ぶくぶく長々火の目小僧 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
誰か、——部屋の中には女のほかにも、丹前たんぜん羽織はおった男が一人、ずっと離れた畳の上に、英字新聞をひろげたまま、長々ながなが腹這はらばいになっている。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もうすっかり出来上できあがって、びくともしずに、長々ながながとかかっているではありませんか。
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
だって火の目小僧と長々ながながの二人は、ただあたりまえの人が食べるだけしか食べませんでしたが、もう一人のぶくぶくは
ぶくぶく長々火の目小僧 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
年の若い巡査は警部が去ると、大仰おおぎょうに天を仰ぎながら、長々ながなが浩歎こうたん独白どくはくを述べた。何でもその意味は長いあいだ、ピストル強盗をつけ廻しているが、逮捕たいほ出来ないとか云うのだった。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
と、昆布こんぶ敷居しきいの上に長々ながながそべりました。
猿かに合戦 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
私の名前は長々ながながと申します。私がちょいと、こうつまちをしますと、すうッと天まで手がとどきます。それから一と足で一里さきまでまたげます。このとおりです。
ぶくぶく長々火の目小僧 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そこにはまた仔豚こぶたむれも、長々ながながと横たわった親豚の腹に、乳房ちぶさを争っているかも知れない、——小鳥を見るのにもきた男は、そんな空想にひたったなり、いつかうとうと眠りそうになった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)