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鐫
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え
ふりがな文庫
“
鐫
(
え
)” の例文
教区寺のオルガンの楽鍵ごとにその端に伯家の紋章豕を
鐫
(
え
)
りあるからと釈いた(今年一月十三日の『ノーツ・エンド・キーリス』三四頁)
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一寸裏をかえせば、その男の名がジャンの眼に、いや心の奥底へ永久に
鐫
(
え
)
りつけられるだろう。そうするともう
万事休矣
(
おしまい
)
だ。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
そこでその定窯の鼎の台座には、友人だった李西涯が
篆書
(
てんしょ
)
で
銘
(
めい
)
を書いて、
鐫
(
え
)
りつけた。李西涯の銘だけでも、今日は勿論の事、当時でも珍重したものであったろう。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
左側はなお
更
(
さら
)
急に
鐫
(
え
)
ぐれているので、——もう足下になったシュレック・フィルンから、三時間半も登って、やっといくらか岩の表われた、山稜に近い急斜まで来た。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
この梓は支那では木王といって百木の長と貴び、梓より良い木は他にはないと称えている。それゆえ書物を板木に
鐫
(
え
)
るを上梓といい、書物を発行するを梓行と書くのである。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
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第三は「望むらくは
鉄
(
くろがね
)
の筆と鉛とをもてこれを永く
磐石
(
いわ
)
に
鐫
(
え
)
りつけ置かんことを」である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
暗い底に
藍
(
あい
)
を含む
逝
(
ゆ
)
く春の夜を
透
(
す
)
かして見ると、花が見える。雨に風に散り
後
(
おく
)
れて、八重に咲く遅き
香
(
か
)
を、夜に
懸
(
か
)
けん花の願を、人の世の
灯
(
ともしび
)
が下から朗かに照らしている。
朧
(
おぼろ
)
に
薄紅
(
うすくれない
)
の
螺鈿
(
らでん
)
を
鐫
(
え
)
る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
鐫
(
え
)
りつけ、おもてから
背後
(
うしろ
)
へ
草書
(
はしりがき
)
をまわして
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
左側はなおさらに急に
鐫
(
え
)
ぐれているので、——もう足下になったシュレック・フィルンから、三時間半も登って、やっといくらか岩の現われた、山稜に近い急斜まで来た。
登山の朝
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
さては妖怪に
極
(
きま
)
ったと急いで相集まり、印環と強勢の
符籙
(
ふろく
)
を
鐫
(
え
)
り付けた鎖を、乞食体の真王に渡し、導いて宮に入ると、今まで王位に座しいたアスモデウス大いに叫んで逃れ去り
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
マルコポロ紀行に元
世祖
(
せいそ
)
将官に位勲の牌を賜い佩用せしむるに、金また銀を
鍍
(
めっき
)
した牌に獅の頭を
鐫
(
え
)
り付けたとあるが、ユールの註に拠るとマルコの書諸所に虎を獅と訛称しあるそうだ。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
鐫
漢検1級
部首:⾦
21画
“鐫”を含む語句
鐫工
鐫碑