酒家しゅか)” の例文
一月上旬の夜なれば、ウンテル・デン・リンデンの酒家しゅか、茶店はなお人の出入り盛りにてにぎわしかりしならめど、ふつに覚えず。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
酒家しゅかに眠るという意気はこれだな、ナニ、ここは長安の酒家じゃねえ、酒家でも堤の上でもそんなことは構わねえ、エート
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しかし銭塘せんとう瞿祐くゆうは勿論、趙生ちょうせいなぞの友人たちも、王生おうせい夫婦をせた舟が、渭塘いとう酒家しゅかを離れた時、彼が少女と交換した、しものような会話を知らなかった。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
武「なに貴様は余程酒がきだな、わし此処こゝを通るたびに飲んでらん事はないが、貴様は余程よっぽど酒家しゅかだのう」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あるいはまた一晩中、秦淮しんわいあたりの酒家しゅか卓子たくしに、酒を飲み明かすことなぞもある。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
酒家しゅか沢山たんとの肴は要らない、香の物の好いのが有ればそれで沢山だ、しかひどい酒をのませやアがったなあゝいてえ、変な酒だな、おいお梅一寸ちょっと来て呉んな、ウ、ウ、腹が痛えから一寸来て呉れ
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)