“渭塘”の読み方と例文
読み方割合
いとう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
所がちょうど去年の秋、やはり松江へ下った帰りに、舟が渭塘いとうのほとりまで来ると、柳やえんじゅに囲まれながら、酒旗しゅきを出した家が一軒見える。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし銭塘せんとう瞿祐くゆうは勿論、趙生ちょうせいなぞの友人たちも、王生おうせい夫婦をせた舟が、渭塘いとう酒家しゅかを離れた時、彼が少女と交換した、しものような会話を知らなかった。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「うん。一度も行った事はない。が、もう十日ばかりすると、また松江しょうこうくだる事になっている。その時渭塘いとうを通ったら、是非あの酒旗しゅきの出ている家へ、もう一度舟を寄せて見るつもりだ。」
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)