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であ
ふりがな文庫
“
遭遇
(
であ
)” の例文
一夜の出来事は、それに
遭遇
(
であ
)
った人々に取って忘られなかった。折角上京したお種も、お仙を連れての町あるきは
可恐
(
おそろ
)
しく思われて来た。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は
上
(
かみ
)
の方から麦酒の空瓶らしいのを両手にかかえて小走りに駈けて来る八つか九つぐらいの卵色の軽い服を着けた亜麻色の髪の女の子に
遭遇
(
であ
)
った。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
遭遇
(
であ
)
つたら忠告すると平生から意氣込んで居たのに顏を合したのが
否
(
い
)
けなかつた。
永井荷風といふ男
(旧字旧仮名)
/
生田葵山
(著)
急いで別れて行く高柳を見送つて、
反対
(
あべこべ
)
な方角へ一町ばかりも歩いて行つた頃、
斯
(
こ
)
の
噂好
(
うはさず
)
きな町会議員は一人の青年に
遭遇
(
であ
)
つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は或日、とある山道の曲り角でそうした童子と、突然に
遭遇
(
であ
)
って実に驚いたものであった。行き過ぎてからでも私は後ろを幾度振り返ったか。礼拝したくもなった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
丑松の父といふは、日頃極めて壮健な方で、
激烈
(
はげ
)
しい気候に
遭遇
(
であ
)
つても風邪一つ引かず、
巌畳
(
がんでふ
)
な
体躯
(
からだ
)
は
反
(
かへ
)
つて
壮夫
(
わかもの
)
を
凌
(
しの
)
ぐ程の隠居であつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それから、白木の角標の
薩哈嗹
(
サガレン
)
州ピレオ北方二里に
遭遇
(
であ
)
ったのである。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
恩人の家の方へ帰って来て見ると、捨吉は
未
(
いま
)
だ
曽
(
かつ
)
てその屋根の下で
遭遇
(
であ
)
ったことも無いような動きの渦の中に立った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この人達を宿の二階に迎えた時のお種の
心地
(
こころもち
)
は、丁度吾子を乗せた救い舟にでも
遭遇
(
であ
)
ったようで、破船同様の母には何から
尋
(
たず
)
ねて可いか解らなかった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
天文台前の広場まで行くと、二人は十七八歳ばかりの青年の一群にも
遭遇
(
であ
)
った。それらの青年は皆学生であった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「どうも貴方の調子は皮肉だ。あんまり種々な目に
遭遇
(
であ
)
って、苦しんだものだから、自然と姉さんはそう成ったんでしょう。目下のものはヤリキれませんぜ」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もし上陸して
遭遇
(
であ
)
う最初の日本人があったなら、知る知らぬに
関
(
かかわ
)
らずその人に
齧
(
かじ
)
り着いて見たいような、そんな心持で帰って来たばかりの自分のような気もして来る。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「しかし、私が今まで
遭遇
(
であ
)
って来たことの中で、
唯
(
たった
)
一つだけ叔父さんに話しましょうか」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
恐らく、これは都会の婦人ばかり見慣れた君なぞの想像もつかないことだろう。私は又、この土地で、野蛮な感じのする女に
遭遇
(
であ
)
うこともある。Oの母にはそんな荒々しさが無い。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
敵方といふのは、年若な準教員——それ、丑松が蓮華寺へ
明間
(
あきま
)
を捜しに行つた時、
帰路
(
かへり
)
に
遭遇
(
であ
)
つた彼男と、それから文平と、斯う二人の組で、丑松に取つては
侮
(
あなど
)
り難い相手であつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
英訳ではあるが、バイロンの章の終のところで、捨吉は会心の文字に
遭遇
(
であ
)
った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ポオト・セエドからマルセエユの港まで乗って来る間で、一日岸本が高い波に
遭遇
(
であ
)
った地中海だ。眼の下にある黄ばみを帯びた白い崖の土と、新しい草とは、一層その海の色を青く見せた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
私は又、斯の土地で、野蠻な感じのする女に
遭遇
(
であ
)
ふこともある。Oの母には其樣な荒々しさが無い。何しろ斯の婦人は驚くべき強健な體格だ。Oの姉も勞働に慣れた女らしい手を
有
(
も
)
つて居た。
烏帽子山麓の牧場
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
丁度岩沼の
基督降誕祭
(
クリスマス
)
に招ばれて行った後へ、君が訪ねて来て……あんな田舎らしい基督降誕祭に
遭遇
(
であ
)
ったことは僕も始めてでしたよ……信者が五目飯なぞを
煮
(
た
)
いて
御馳走
(
ごちそう
)
してくれましたッけ。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それから三十年あまりの今日まで、どうかして私は
彼樣
(
あゝ
)
いふ味噌汁を今一度吸ひたいと思つて、幾度同じやうに造らせて見るか解りませんが、二度と彼の味を思出させるやうなのには
遭遇
(
であ
)
ひません。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
遭
常用漢字
中学
部首:⾡
14画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
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