道連みちづ)” の例文
こんなうるさいはいでも、道連みちづれとなればなつかしくおもはれたかして、木曾きそはいのことを發句ほつくんだむかし旅人たびゞともありましたつけ。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そのばたきには、はじめのあひだこそ、こちらでもびっくりしますが、しかしだん/\すゝむにしたがつて、むしろとりびたつのも、道連みちづれが出來できたようになつかしくなるものです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
すると、かもめは、いそつばさをゆるくして、からすとしばらくのあいだ道連みちづれになりました。
馬を殺したからす (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの犬たちは、楽しいにつけ苦しいにつけ、わたしたちの友だちであり、道連みちづれであった。そしてわたしにとっては、わたしのさびしい身の上にとっては、このうえないなぐさめであった。
小次郎が豊前小倉まで下るのをよい道連みちづれと頼んで、途中、大坂表に預けてある権叔父の遺骨を受け取り、郷里の宿題をひと片づけつけて、かたがた、年久しく怠っていた祖先の年忌やら
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)