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遊蕩児
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ゆうとうじ
ふりがな文庫
“
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)” の例文
いかにも人の不幸のところへ心ない
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
の
気紛
(
きまぐ
)
れな
仕業
(
しわざ
)
と人に取られるかも知れなかったが、思う人には何とでも思わせておいて
生不動
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
そして有用な観念はそういう所にこそ存する。全体としてはパリーが一番すぐれている。パリーでは、
屑屋
(
くずや
)
に至るまで
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
である。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
水夫たちも、火夫たちもデッキへ出て、悲惨な
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
たちをながめた。伝馬は近づいた。大工は鼻歌をうたっていた。彼は、また声がいいのだ。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
柏葉亭
(
はくようてい
)
でもよいし、宇治あたりでもよいじゃありませんか。一夕、御老母を中心にしてくつろぎながら、山陽先生の宮島がよい頃の
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
ぶりや、座敷牢時代のご苦心を
梅颸の杖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
居続けの
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
の様な、焼けくそな気持で、ギラギラと毒々しい着色死体を物狂おしく
愛撫
(
あいぶ
)
した。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
恋の競争相手が
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
であり悪漢であることは、恋する人にとって決して不幸なことではない。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「戯作者——徳川時代の通人、粋客、
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
といったような半面を持っている男ですか」
山道
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ただ科学の野辺に漂浪して名もない一輪の花を摘んではそのつつましい花冠の中に秘められた喜びを味わうために生涯を徒費しても惜しいと思わないような「
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
」のために
科学に志す人へ
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
それからクヴシンニコフって中尉だがね……。こいつが君、とても面白い奴なんだ! まず、どちらから見ても
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
だといえるねえ。おれたちは始終こいつと一緒だったんだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
坪田村という所のお医者さんで色の白い、
素白
(
しらふ
)
のときはよく口ごもっておとなしいが、酒飲みで、そうなるとまるで様子の変る人が時々やってきた。噂では大変な
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
だという。
石ころ路
(新字新仮名)
/
田畑修一郎
(著)
この頃の或る新聞に、沼南が流連して
馴染
(
なじみ
)
の女が病気で
臥
(
ね
)
ている
枕頭
(
ちんとう
)
にイツマデも附添って手厚く看護したという逸事が載っているが、沼南は
心中
(
しんじゅう
)
の
仕損
(
しそこな
)
いまでした
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
であった。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
倦
(
あ
)
きて直ちにふり捨てて次の女を我が物とし、もう全くの
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
となり終ったので、母人も悴の身の上を苦にして歿去したのであるが、呉羽之介の方ではそれを良いことにいよいよ魔道の
歓
(
よろこ
)
びに
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
そりゃまだ
好
(
い
)
いにしても、評判の
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
と来ているんでしょう。そのために何でも父の話じゃ、
禁治産
(
きんじさん
)
か何かになりそうなんですって。だから両親もあたしの従兄には候補者の資格を認めていないの。
文放古
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
従ってここに歌われるのは、ある一つの心に起こった特殊な感情の動きではない。
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
に共通なさまざまの情調を、断片的に
点綴
(
てんてつ
)
して、そこに非個人的な一つの生活情調を描き出しているのである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
「お前も、お前だぞっ。よう聞けっ、この馬鹿娘が、この
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
に、遊びの
代
(
しろ
)
を、
貢
(
みつ
)
いでおるのじゃっ。——貴様っ、母として、なぜそんなことに気づかん。不行届き千万なっ」
べんがら炬燵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道化者パントラビュスはイギリス・カフェーで
遊蕩児
(
ゆうとうじ
)
ノメンタヌスをも
愚弄
(
ぐろう
)
する。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
遊
常用漢字
小3
部首:⾡
12画
蕩
漢検準1級
部首:⾋
15画
児
常用漢字
小4
部首:⼉
7画
“遊蕩”で始まる語句
遊蕩
遊蕩三昧
遊蕩子
遊蕩客
遊蕩家
遊蕩心
遊蕩費
遊蕩息子