遊女ゆうじょ)” の例文
男舞おとこまいを余興にすることが流行となってから——遊君ゆうくん遊女ゆうじょの一派として、白拍子なる一階級が、新たに、世相にうかび出している。
湯女ゆな遊女ゆうじょ、掛茶屋の茶酌女ちゃくみおんな等は、公然と多くの人に接しるから、美貌はすぐと拡まった。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
京師けいしの、はなかざしてすご上臈じょうろうたちはいざらず、天下てんか大将軍だいしょうぐん鎮座ちんざする江戸えど八百八ちょうなら、うえ大名だいみょう姫君ひめぎみから、した歌舞うたまい菩薩ぼさつにたとえられる、よろず吉原よしわら千の遊女ゆうじょをすぐっても
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
僕は子供心こどもごころに、維新いしんのころ世に名高き遊女ゆうじょはなしを敬服して聞いたことがある。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
毛利方のお船手が十人余り兵糧船から上陸あがって、三木城のお侍衆と一緒についそこの遊女ゆうじょ町で飲んでおるということでございますし、そのほかだいぶ見かけない侍衆が町をあるいておる様子ゆえ
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)