あい)” の例文
いつか僕のいる方を向て、「ナニ、おくさまがナ、えらい遠方へ旅にいらしッて、いつまでも帰らっしゃらないんだから、あいいッてよびによこしなすったよ」
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
おのれにまさりて物しれる人は高きいやしきを選ばず常にあい見て事尋ねとひ、あるは物語をきかまほしくおもふを、けふはこの頃にはめづらしく日影あたたかに久堅ひさかたの空晴渡りてのどかなれば
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
だッて貴方あなた、甥で無くて誰が殺しましょう、藻西太郎は昨夜老人にあいに来て
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
これを大方おおかたのよに恋の成就じょうじゅとやいふならん、あいそめてうたがふいと浅し
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
事におあいでしょう。そしたら鍵を揮っておよけなさい。6280
あいはせぬかよ
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
る程昨夜藻西太郎が老人にあいに来た事はう確だな女
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
あなたにおあい申すや否や、自分は同時に乞食の9275
あい見ればまた思ふやうの顔したる人ぞなき)
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
お后様、何事におあいになったかお聞せ下さいまし。