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躱
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かは
ふりがな文庫
“
躱
(
かは
)” の例文
さう云つた夫人の顔は、
遉
(
さすが
)
に緊張した。が、夫人は自分で、それに気が付くと、直ぐ身を
躱
(
かは
)
すやうに、以前の無関心な態度に帰らうとした。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
ひらりと身を
躱
(
かは
)
すが早いか、そこにあつた箒をとつて、又掴みかからうとする遠藤の顔へ、床の上の
五味
(
ごみ
)
を掃きかけました。
アグニの神
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
徐大盡
(
じよだいじん
)
何
(
なん
)
としたか、やあ、と
云
(
い
)
ふ
間
(
ま
)
に、
扉
(
とびら
)
のなりに
身
(
み
)
を
躱
(
かは
)
して、
畫師
(
ゑし
)
が、すつと
我手
(
わがて
)
で
開
(
あ
)
けて
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
水兵
(
すいへい
)
ヒラリと
身
(
み
)
を
躱
(
かは
)
すよと
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、
腰
(
こし
)
の
大刀
(
だいたう
)
は
※手
(
ぬくて
)
も
見
(
み
)
せず、
猛狒
(
ゴリラ
)
の
肩先
(
かたさき
)
に
斬込
(
きりこ
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
事の破れと見た覆面の武家、必死の勢ひで平次に斬つてかゝるのを、二三度は
躱
(
かは
)
しましたが、さすがに容易ならぬ腕前。大川の夜の水へギリギリまで追ひ詰められて、錢形平次も持て餘し氣味です。
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
敵に、素早く身を
躱
(
かは
)
されたやうに、勝平は心の憤怒を、少しも晴さない中に、やみ/\と物別れになつたのが、口惜しかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
いや、それは
身
(
み
)
を
躱
(
かは
)
した
所
(
ところ
)
が、
無
(
む
)
二
無
(
む
)
三に
斬
(
き
)
り
立
(
た
)
てられる
内
(
うち
)
には、どんな
怪我
(
けが
)
も
仕兼
(
しか
)
ねなかつたのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
新公は
咄嗟
(
とつさ
)
に身を
躱
(
かは
)
さうとした。が、傘はその途端に、古
湯帷子
(
ゆかた
)
の肩を打ち据ゑてゐた。この騒ぎに驚いた猫は、鉄鍋を一つ蹴落しながら、
荒神
(
くわうじん
)
の棚へ飛び移つた。
お富の貞操
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夫人は、ひらりと身を
躱
(
かは
)
すやうに、真面目なしんみりとした態度に帰つてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
躱
漢検1級
部首:⾝
13画
“躱”を含む語句
精神的躱避
身躱
躱身