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赤蛙
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あかがへる
新田の
太郎兵衞がうまい
言を
言つた。
小助が
鬱ぐなら
蚯蚓を
煎じて
飮ませろと。
何が、
藥だと
勸めるものも、やれ
赤蛙が
可い
事の、
蚯蚓が
利く
事の、
生姜入れずの
煎法で。
よつて
怪しからぬ
二人連れを、
畜生、
蝦蟆賣め、と
言ふ。たゞし
蝦蟆は
赤蛙なり。
蝦蟆や、
蝦蟆い。——そのあとから
山男のやうな
小父さんが、
柳の
蟲は
要らんかあ、
柳の
蟲は
要らんかあ。