おほ)” の例文
羅馬の民はけふ悉くこゝに集へるなり。されば彼外國人ならぬものも、おなじ迷を起すべう思はる。何故といふに、人愈〻おほくして廳は愈〻ひろしと見ゆればなり。
其の事無くして而して強ひて行かんよりは、之に因りて而して自から補はんに若かず。彼おほくして我寡くば、先づ其生を謀り、我衆くして彼寡くば、努めて其勢を張る。
囲碁雑考 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
〔評〕兵數はいづれかおほき、器械きかいは孰れかせいなる、糧食りやうしよくは孰れかめる、この數者を以て之をくらべば、薩長さつちやうの兵は固より幕府に及ばざるなり。然り而して伏見ふしみの一戰、東兵披靡ひびするものは何ぞや。
學校の書生おほしといへども、その家世、その才智、並に人に優れたるは、ベルナルドオといふ人なりき。遊戲に日をおくるは咎むべきならねど、あまりに情を放ちて自らほしいまゝにするさまも見えき。