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蛼
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こほろぎ
ふりがな文庫
“
蛼
(
こほろぎ
)” の例文
轡虫
(
くつわむし
)
だの、
蛼
(
こほろぎ
)
だの、秋の先駆であるさまざまの虫が、或は草原で、或は彼の机の前で、或は彼の
牀
(
とこ
)
の下で鳴き初めた。楽しい田園の新秋の予感が、村人の心を浮き立たせた。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
鬼怒川
(
きぬがは
)
の
土手
(
どて
)
に
繁茂
(
はんも
)
した
篠
(
しの
)
の
根
(
ね
)
に
纏
(
まつ
)
はつて
居
(
ゐ
)
る
短
(
みじか
)
い
鴨跖草
(
つゆぐさ
)
も
葉
(
は
)
から
莖
(
くき
)
から
泥
(
どろ
)
に
塗
(
まみ
)
れて
居
(
ゐ
)
ながら
尚
(
なほ
)
生命
(
せいめい
)
を
保
(
たも
)
ちつゝ
日毎
(
ひごと
)
に
憐
(
あは
)
れげな
花
(
はな
)
をつけた。
蛼
(
こほろぎ
)
が
滅入
(
めい
)
る
樣
(
やう
)
に
其
(
そ
)
の
蔭
(
かげ
)
に
鳴
(
な
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「だつて
蛼
(
こほろぎ
)
が居る
処
(
ところ
)
には狐も居ようといふものぢやないか。」
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
膝折れの
蛼
(
こほろぎ
)
も啼け十三夜
普羅句集
(新字旧仮名)
/
前田普羅
(著)
声をかぎりに
蛼
(
こほろぎ
)
は
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
▼ もっと見る
蛼
(
こほろぎ
)
が
十五夜お月さん
(旧字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
厠遠しかの
蛼
(
こほろぎ
)
の高調子
普羅句集
(新字旧仮名)
/
前田普羅
(著)
猶泣きやまぬ
蛼
(
こほろぎ
)
の
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
蛼
(
こほろぎ
)
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
蛼
部首:⾍
13画