ないが)” の例文
沮喪そそうした家中のものと共に、生きもしよう死にもしようと、両肌を脱いだ彼の決意をないがしろにすることは出来なかった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
一人彼是申こばむは重役をないがしろに致す所行しよぎやうことに再吟味は天下の大法たいはふそむあひだ相成ぬとの上意なりと嚴重げんぢうにこそ申渡しける越前守ははつとばかり御受を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ことに、こんな晴れの場所において、能登守に主人面に振舞われることは、自らの存在をないがしろにされたように侮辱を感じて、それが一層、憎悪に変ずるのであります。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
平次、御奉行朝倉石見守あさくらいはみのかみ樣からきつい御達しだ、——近頃府内を騷がす盜賊、盜んだ品を返せば罪はないやうなものではあるが、あまりと言へばお上の御威光をないがしろにする仕打だ。
其方儀そのはうぎ天一坊へ一味いちみ致し謀計ぼうけい虚言きよげんを以て百姓町人をあざむき金銀を掠取り衣食住に侈奢おごり身の程をもわきまへず上をないがしろに致たる段重々不屆に付死罪申付る
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其方儀そのはうぎ天一坊身分みぶんしか相糺あひたゞさず百姓町人を欺き金銀を掠取かすめとり候段かみないがしろに致し重々不屆につき遠島ゑんたう申付る(八丈島)
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)