萬代よろづよ)” の例文
新字:万代
思へば風前ふうぜんともしびに似たる平家の運命かな。一門上下しやうかはなひ、月にきやうじ、明日あすにもめなんず榮華の夢に、萬代よろづよかけて行末祝ふ、武運の程ぞ淺ましや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
われ/\は拾遺集しゅういしゅう巻五賀の部所載源公忠の、「萬代よろづよもなほこそあかね」の歌の詞書に依って、権中納言敦忠が母のために賀筵がえんを設けたことがあるのを知り
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
萬代よろづよに響く
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
世のはて何處いづことも知らざれば、き人のしるしにも萬代よろづよかけし小松殿内府の墳墓ふんぼ、見上ぐるばかりの石の面に彫り刻みたる淨蓮大禪門の五字、金泥きんでいいろあらひし如く猶ほあざやかなり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)