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英吉
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えいきち
すぐに、
女神は、
飛んで、
英吉の
乗っている、
破れかけた
船のほばしらの
頂にきてとまりました。そして、
清らかな
瞳で、
下をみつめました。
と、今夜主税の机の
際に、河野
英吉が、まだ洋服の膝も崩さぬ
前から
そして、
日暮れ
方から、
幾分か
海の
上が、
穏やかになったので、
英吉は、
喜んで、
陸の
方へ、あらんかぎり、
腕に
力を
入れてこぎだしました。
英吉は、これらのちらちらする
火影を、
遠くからながめました。そして、しんせつな
人々の
心づくしに
感謝しました。