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苦虫
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にがむし
ふりがな文庫
“
苦虫
(
にがむし
)” の例文
旧字:
苦蟲
御本家に飼殺しの
親爺
(
おやじ
)
仁右衛門、
渾名
(
あだな
)
も
苦虫
(
にがむし
)
、むずかしい顔をして、御隠居殿へ出向いて、まじりまじり、
煙草
(
たばこ
)
を
捻
(
ひね
)
って言うことには
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
つまらぬ暇つぶしにしびれをきらして、天堂一角は
苦虫
(
にがむし
)
を噛んでいたが、つい周馬の独り言に誘われて、側からこうたずねだした。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むつかしやの
苦虫
(
にがむし
)
の公爵が寝床の中でこの歌を始める。これがヴァレンティーヌ夫人、ド・ヴァレーズ伯爵、ド・サヴィニャク伯爵へと
伝播
(
でんぱ
)
する。
音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「
莫迦
(
ばか
)
な奴じゃ」提督は、いよいよ
苦虫
(
にがむし
)
を噛んだような顔をした。演習ではあるまいし、救援が出来るものか。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それこそ、
苦虫
(
にがむし
)
を
噛
(
か
)
みつぶしたような顔をしていた。ひどく怒っているようだ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
常から放縦な恋愛を
顰蹙
(
ひんしゅく
)
する自分は大杉のかなりに打明けた正直な告白に
苦虫
(
にがむし
)
を
潰
(
つぶ
)
さないまでも余り同感しなかったのを
気拙
(
きまず
)
く思ったと見えて、家が遠くなると同時に足が遠のいてしまった。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
おとよの父は評判のむずかしい人であるから、この頃は朝から
苦虫
(
にがむし
)
を食いつぶしたような顔をしている。おとよの母に対しては、これからは、あのはまのあまなんぞ寄せつけてはならんぞとどなった。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
家族が集まると、どの顔も、みんな
苦虫
(
にがむし
)
を
噛
(
か
)
みつぶしたようだ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
いんね、
私
(
わし
)
一人じゃござりましねえ。喜十郎様が
許
(
とこ
)
の仁右衛門の
苦虫
(
にがむし
)
と、学校の先生ちゅが、同士にはい、
門前
(
もんまえ
)
まで来っけえがの。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
苦虫
(
にがむし
)
潰
(
つぶ
)
しても
居堪
(
いたた
)
まれないだろう。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
“苦”で始まる語句
苦
苦悶
苦笑
苦々
苦痛
苦患
苦力
苦労
苦手
苦衷