船着ふなつ)” の例文
小父おじさんが、ああして、くすりはこおぶって、諸国しょこくあるいていた時分じぶんに、もっとみなみ船着ふなつで、外国がいこくからわたってきた、くさ種子たねにいれました。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こいつは毎日、酒桶さかおけになって、揚子江の船着ふなつきという船着きを売り歩いておりますから、およそ船頭仲間のことなら何でも耳にしておりますでな
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きっと船着ふなつまちへ、おまえをるつもりだったろう。なんにしても、はやくこのまちからさなければいけない。
生きた人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
汽船きせんが、みなとくと、人々ひとびとは、りく見物けんぶつするために、あがったのです。父親ちちおやも、ぶらぶらとあるいてみました。どこの船着ふなつも、そうであるように、まちはにぎやかでした。酒場さかばもあれば、宿屋やどやもある。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)