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船板塀
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ふないたべい
ふりがな文庫
“
船板塀
(
ふないたべい
)” の例文
船板塀
(
ふないたべい
)
をした二階家があって、
耳門
(
くぐり
)
にした
本門
(
ほんもん
)
の
簷口
(
のきぐち
)
に小さな
軒燈
(
けんとう
)
が
点
(
とも
)
り、その脇の方に「山口はな」と云う女名前の表札がかかっていた。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
四辺
(
あたり
)
に似ない大構えの空屋に、——二間ばかりの
船板塀
(
ふないたべい
)
が水のぬるんだ
堰
(
いせき
)
に見えて、その前に、お
玉杓子
(
たまじゃくし
)
の
推競
(
おしくら
)
で群る
状
(
さま
)
に、大勢
小児
(
こども
)
が
集
(
たか
)
っていた。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大きな
盥
(
たらひ
)
ほどの水溜りになつて居たさうですが、平次の活躍して居た頃はまだ池の形のあつた頃で、その池のほとりに、
誂
(
あつら
)
へたやうな見越しの松、
船板塀
(
ふないたべい
)
の中に納まつたお染を
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
引っ返してくる
跫音
(
あしおと
)
に、庄次郎はまた、逃げだした。濡れた
浴衣
(
ゆかた
)
の
裾
(
すそ
)
が
脛
(
すね
)
にからみついて、とても、
長途
(
ながみち
)
はむずかしい。秋葉神社の方へ向いて、半町ほど走ると、
粋
(
いき
)
な
船板塀
(
ふないたべい
)
が見え、
天水桶
(
てんすいおけ
)
があった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いやに
殊勝
(
しゅしょう
)
なことを云うぜ、また、刑事から注意でもせられたのだろう、
駒形堂
(
こまがたどう
)
の傍の
船板塀
(
ふないたべい
)
とか
何
(
な
)
んとか、変なことを云ってたから……」
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
「もとは
柳橋
(
やなぎばし
)
にいた奴だよ、今は、
駒形堂
(
こまがたどう
)
の傍に、
船板塀
(
ふないたべい
)
に
見越
(
みこし
)
の
松
(
まつ
)
と云う寸法だ、しかも、それが
頗
(
すこぶ
)
るの美と来てるからね」と小声で云って
笑顔
(
わらいがお
)
をした。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
船
常用漢字
小2
部首:⾈
11画
板
常用漢字
小3
部首:⽊
8画
塀
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
“船板”で始まる語句
船板