自戒じかい)” の例文
ここにおいてわがはいは日々の心得こころえ尋常じんじょう平生へいぜい自戒じかいをつづりて、自己の記憶きおくを新たにするとともに同志の人々の考えにきょうしたい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
全軍の上に立つ秀吉としては、ようやくつかれやすくなっている士気に対して、細心な注意をしながら、しかもその細心をおもてに現わすまいと自戒じかいしていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とすれば、おまえの血と汗のこもった言葉だ。言葉は普通でも内容には沸々ふつふつと熱いものがいている。いましめとして永く大事にこの言葉の意味の自戒じかいち合って行こう。
巴里のむす子へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しかし、こういっただけで、し、その事実ありとしても、その当人達は、充分じゅうぶん自戒じかいしてくれると思う。たのむから諸君、二度と俺にこんなことを、言わさないでくれ。終りッ
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
私はおまえのいうことを素直に受容うけいれる。だが、この言葉はまた、おまえ自身、かたくなな現実の壁に行きあたって、さまざまに苦しみ抜いた果ての体験から来る自戒じかいの言葉ではあるまいか。
巴里のむす子へ (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
これが、この出陣に際しての、信長の自戒じかいであった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)