そだつ)” の例文
折ふしは里親と共に来てまわらぬ舌に菓子ねだる口元、いとしや方様に生き写しと抱き寄せて放し難く、つい三歳みっつの秋より引き取って膝下ひざもとそだつれば
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
子をそだつれども愛に溺れ、ならはせ悪しく愚なる故に、何事も我身をへりくだりて夫に従べし。いにしえの法に女子を産ば三日床の下にふさしむるといへり。是も男は天にたとへ女は地にかたどる。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
まうけ夫婦の喜悦よろこび假令たとふるにもの無くてふよ花よといつくしみそだつうちに間も無つまのお久時の流行はやり風邪かぜ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
支那は地勢上猪までノソリノソリとそだつから肉が美味い。豚は猪を家畜にしたものだ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)