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老耄
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おいぼ
ふりがな文庫
“
老耄
(
おいぼ
)” の例文
恐らく、それと共に、今日の僕の記憶力も、臨終の床に夢を見る
老耄
(
おいぼ
)
れどもの
乾枯
(
ひから
)
びた脳髄と同じくらいに衰耗しているのに違いない。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
それは勿論「脱走」に備えたものだった。その見張りの役が、今は
老耄
(
おいぼ
)
れて仕舞ったが、昔はこの一座を背負って立った源二郎
爺
(
じじい
)
なのだ。
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
……それだけに私の身になってみれば、自分のものに致したいので。……で、お願いいたしますじゃ。……可哀そうな
老耄
(
おいぼ
)
れた老人を、功徳と思って喜ばせて下されとな。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この法外にだらだらと長い奇妙なお城は、どこか
老耄
(
おいぼ
)
れの廃兵といった恰好をしている。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
自分が決してどん底の者でないことが感じられていたのだが——沢やの婆が行ってしまったら、後に、誰か自分より
老耄
(
おいぼ
)
れた、自分より貧乏な、自分より孤独な者が残るだろうか?
秋の反射
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
おれは
眇
(
びょう
)
たる一
平家
(
へいけ
)
に、心を労するほど
老耄
(
おいぼ
)
れはせぬ。さっきもお前に云うた通り、天下は誰でも取っているが
好
(
い
)
い。おれは一巻の
経文
(
きょうもん
)
のほかに、
鶴
(
つる
)
の
前
(
まえ
)
でもいれば
安堵
(
あんど
)
している。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「お前
老耄
(
おいぼ
)
れたのだ。銃殺だなんて。その位の事で。お前どうかしてゐるのだ。」
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
然
(
しか
)
るにどうも西園寺侯は、国民の輿望に反して為す無きことが
曝露
(
ばくろ
)
した様である。その他維新当時の勇士も、今日は大概
老耄
(
おいぼ
)
れてしまって、もはや実際の役に立つものは極めて稀である。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
親父の源太郎は今こそ
老耄
(
おいぼ
)
れた顏をして居るが、あれでなか/\の軍師さ
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
忠之、「如水公の時屡々武功あったと云うが
老耄
(
おいぼ
)
れたのか」と罵って之を斬ろうとする処に弟隆政現れて漸く止めた。睡鴎暫く四方を観望して居たが、忽ち
大喝
(
たいかつ
)
して軍を進めついに大江門を抜いた。
島原の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「
老耄
(
おいぼ
)
れた街路も夜の帽子をかぶるがいい。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
エエお前もそう
老耄
(
おいぼ
)
れては仕方がない、頭を
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
いつも罵倒していた「
老耄
(
おいぼ
)
れの繰り言」を、僕もまた実行したわけだ。九月の二十四日から今日まで、僕は寸暇も休まずに書き殴って来た。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
平太夫も近頃はめっきり
老耄
(
おいぼ
)
れたと見えまして、する事為す事ことごとく
落度
(
おちど
)
ばかりでございます。いや、そう云う次第ならもうあなた様の
御前
(
おまえ
)
では、二度と神仏の
御名
(
みな
)
は口に致しますまい。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
親父の源太郎は今こそ
老耄
(
おいぼ
)
れた顔をしているが、あれでなかなかの軍師さ
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は絵札を出す時には、片手でトンとテーブルを叩いて、それがクイーンなら『さあ行け、
老耄
(
おいぼ
)
れの
梵妻
(
ぼんさい
)
め!』またキングなら『行っちまえ、タンボフ県の土百姓め!』などと
捨台詞
(
すてぜりふ
)
を言ったものだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
希望も残っていないわけではない——
憐
(
あわ
)
れな、戸惑いした、
老耄
(
おいぼ
)
れの祈祷はこうだ——気まぐれな廿世紀の守護神が、この忘れ去られようとする極東の小島に、白羽の矢を送らないと
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
“老耄”の意味
《名詞》
老耄(ろうもう)
老いぼれること。また、そのような人。
(出典:Wiktionary)
老
常用漢字
小4
部首:⽼
6画
耄
漢検1級
部首:⽼
10画
“老耄”で始まる語句
老耄奴
老耄婆