縋着すがりつ)” の例文
ずぶぬれの、一所いつしよつゝんだくさに、弱々よわ/\つて、のまゝ縋着すがりついたのもあつたから、手巾ハンケチそれなりに土手どててておこした。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
未来で会ったら一生懸命に縋着すがりついていて離れるな。己のような邪魔者の入らないように用心しろ。きっと離れるなよ。先生なんぞ持つな。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お前様、何といっても、」と空しく手をって、伸上った、婆は縋着すがりついても放したくない。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして、死体に成ってから、貴方のお胸に縋着すがりついたんじゃありませんか、海の中で
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
美女たおやめが手を取ると、取られて膝をずらして縋着すがりついて、その帯のあたりにおもてを上げたのを、月を浴びて﨟長ろうたけた、優しい顔でじっと見て、少しほおを傾けると、髪がそちらへはらはらとなるのを
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
縋着すがりつけば、ころ/\とたなそこめたさいつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
飛脚ひきやくは、ハツとくらんで、女房にようばう縋着すがりついた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)