“網(もう)” の例文
「それッ、江戸の廻しもの唐草銀五郎、またしきりにそこらを嗅(か)ぎまわる天満(てんま)浪人や、手先の犬どもを、一網(もう)打尽(だじん)にしてしまえ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君子は釣(ちょう)して網(もう)せずでございますな、いったん釣りの細かいところの趣味を味わった者には、御隠居の前だが、網なんぞは大味(おおあじ)で食べられません」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
珊瑚礁架橋機(さんごしょうかきょうき)あり、都市防衛電気網(もう)あり、組立式戦車要塞(ようさい)あり、輸送潜水艦列車ありというわけで、どれもこれも買って行きたいものばかりで目うつりして決めかねる。
「ながらく捕(と)らえ得(え)なかった武田伊那丸(たけだいなまる)、またふたりの者まで、一網(もう)に召捕(めしと)り得たのは、いつにかれの訴(うった)えと、そちの手柄(てがら)じゃ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「聞いてみない方より、聞いてみた方がいいだろうネ。しかしこんなくだらん騒ぎに、こんなに皆が一つ処に固まってしまうのじゃあ、完全な警戒網(もう)でございとは、ちょっと云えないと思うが、どうだ」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「——もし宋江が報(し)らせにきてくれなかったら、おれたちは一網(もう)打尽(だじん)になるところだった。さっそく何とか考えずばなるまい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宋江、呉用、の大物から以下の賊将どもまで、一網(もう)打尽(だじん)とすることは、まさに今夜にあり——という計だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ちょうどいい! お家の秘密をうかがう奴めら、今夜を期して一網(もう)打尽(だじん)だ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)