経蔵きょうぞう)” の例文
旧字:經藏
なお大仏殿のうしろには、大講堂を初め、三面僧房、経蔵きょうぞう鐘楼しょうろう食堂じきどうの類が立ち並んでいる。講堂、食堂などは、十一間六面の大建築である。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
彦右衛門が手招きして、庫裡くりの一室へ連れて行った。塗籠ぬりごめ経蔵きょうぞうである。ゆっくりやすむがよいといたわって、男を中へ導くと、彦右衛門は外からじょうおろしてしまった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、本所は石原の利助親分の縄張内だ、大急ぎで家へ帰って、どこまでもお品さんが思い付いた事にして、原庭の大法寺だいほうじ〈あの無住になっている荒寺〉の経蔵きょうぞうに手を
続いて経蔵きょうぞう弁財天べんざいてんと言う順序である。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼の念願は、興福寺の経蔵きょうぞうのうちにあった。許しをうけて、その大蔵だいぞうの暗闇にはいった範宴は、日も見ず、月も仰がず、一穂いっすいともをそばにおいて、大部な一切経いっさいきょうに眼をさらし始めたのである。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて経蔵きょうぞうを見よ。またいやが上に可懐なつかしい。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)