糸崎いとざき)” の例文
わたしはそのあとので、靜岡しづをかまでくんですが、糸崎いとざきふのは何處どこでせう。」「さあ……」とつた
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
糸崎いとざきという法学士で、幸にも私達探偵作家や医学者や法律家などで作っている猟奇会りょうきかいの会員だったので、私が静子と一緒に、所謂いわゆる捜査本部である象潟警察へ出頭すると
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
糸崎行いとざきゆき——おはづかしいが、わたし方角はうがくわからない。たなほこりはらひながら、地名辭典ちめいじてん索引さくいんると、糸崎いとざきふのが越前國ゑちぜんのくに備前國びぜんのくにとにしよある。わたし東西とうざい、いや西北せいほくまよつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
東枕ひがしまくらも、西枕にしまくらも、まくらしたまゝ何處どこをさしてくのであらう。汽車案内きしやあんない細字さいじを、しかめづらすかすと、わかつた——遙々はる/″\きやう大阪おほさか神戸かうべとほる……越前ゑちぜんではない、備前國びぜんのくに糸崎いとざきである。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)