さゝら)” の例文
倦怠けんたい彼等かれら意識いしきねむりやうまくけて、二人ふたりあいをうつとりかすますことはあつた。けれどもさゝら神經しんけいあらはれる不安ふあんけつしておこなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
刺青師は無数の細い針を束ねた一種のさゝらのようなものを用いて、しずかに叮嚀に人の肉を突き刺して、これに墨や朱をだん/\にして行くのですが、朱を注すのは非常の痛みで
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかし横井は容易たやすく手元に附け入らせずに、剣術自慢の四郎左衛門を相手にして、十四五合打ち合つた。此短刀は今も横井家に伝はつてゐるが、刃がこぼれてさゝらのやうになつてゐる。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
をどりといふもをけうちいもあらふがごとし。ゆゑに人みな満身みうちあせをながす。第七をどり目にいたりて普光寺ふくわうじ山長やまをとこ耕夫さくをとこの長をいふ)手にさゝらもち、人の手輦てぐるまのりて人のなかへおし入り大音だいおんにいふ。
をどりといふもをけうちいもあらふがごとし。ゆゑに人みな満身みうちあせをながす。第七をどり目にいたりて普光寺ふくわうじ山長やまをとこ耕夫さくをとこの長をいふ)手にさゝらもち、人の手輦てぐるまのりて人のなかへおし入り大音だいおんにいふ。