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簓
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ささら
ふりがな文庫
“
簓
(
ささら
)” の例文
けれども
簓
(
ささら
)
で神経を洗われる不安はけっして起し得なかった。要するに彼らは世間に
疎
(
うと
)
いだけそれだけ仲の好い夫婦であったのである。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
材は松板を
刳
(
く
)
ったものでありますが、茶人だったら
塵取
(
ちりとり
)
にでも取り上げるでしょう。荒物屋ではまた
簓
(
ささら
)
のような
茶筅
(
ちゃせん
)
を売ります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
彼らは往々竹細工に従事し、その所製の
茶筅
(
ちゃせん
)
や
簓
(
ささら
)
を檀家に配るの習慣を有した。これ彼らの徒にチャセン或いはササラの称ある所以である。
間人考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
爼板
(
まないた
)
の出してあるは南瓜を祝うのです。手桶の寝せてあるは
箍
(
たが
)
の切れたのです。
笟
(
ざる
)
に切捨てた
沢菴
(
たくあん
)
の尻も昨日の茶殻に交って、
簓
(
ささら
)
と
束藁
(
たわし
)
とは添寝でした。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
烈しく逆浪に揉まれたか岩礁に摩擦されたかして、堅牢な函板は
簓
(
ささら
)
のように木膚がそそけ立っていた。ともかく
莫迦大
(
ばかでか
)
い上にドッシリとして、かなりの重さがある。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
楽器には絃楽器はなく、
簓
(
ささら
)
、
腰鼓
(
くれつづみ
)
、フリ鼓、
銅鈸子
(
どびょうし
)
といったような類。
演
(
だ
)
し
物
(
もの
)
によっては笛もつかう。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さしもに堅い
樫
(
かし
)
の棒の一端は、みるみる
簓
(
ささら
)
のようにムク犬の口で噛み砕かれていました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
激情はふたたび背中をがりがりと
簓
(
ささら
)
でこするやうに、かれをワナワナふるへさせた。
鞄
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
かえりしな、物欲しそうにして店の中を見まわしているので、寿女は、嫂が不自由しているという笊だの
簓
(
ささら
)
だのを風呂敷いっぱいに包んで持たせてやった。親戚の人たちが来ても矢張りこうであった。
痀女抄録
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
彼らは竹細工を内職として、茶筅或いは
簓
(
ささら
)
を造ってこれを売り、またその檀家とするところに配ってまわったが為で、そんな名称を得たのである。
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
この堅い棒を
簓
(
ささら
)
のようにしやがったぜ、恐ろしい歯の力だ、死物狂いとは言いながら、まだこんなに恐ろしい歯を持った畜生を見たことがねえ、なるほど、これじゃあ殿様がもてあまして
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「そいつもよかろう、じゃその
簓
(
ささら
)
と四角い木だけを背中へ
背負
(
しょ
)
いこみねえ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
特殊民の一部族に
夙
(
しゅく
)
の者というのがあります。これはハチヤとか、
茶筅
(
ちゃせん
)
とか、
簓
(
ささら
)
とか、産所とかいう類のもので、比較的世間から
嫌
(
いや
)
がられませぬ。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
あるいは
茶筅
(
ちゃせん
)
とか、
鉢屋
(
はちや
)
とか、
宿
(
しゅく
)
とか、
簓
(
ささら
)
とか、トウナイとか、説教者とか、いろいろの名称をもって呼ばれましたが、身分は賤しい者と思われても
融和問題に関する歴史的考察
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
御坊
(
おんぼ
)
と呼ばれ、番太と呼ばれ、
茶筅
(
ちゃせん
)
或いは
簓
(
ささら
)
と呼ばれ、説経者と呼ばれたのもまた同じ様なもので、由来賤職に従事するものは決して常に同一職業をのみ固執しているものではない。
間人考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
宿
(
しゅく
)
の者、
垣内
(
かいと
)
の者などと云い、職業とするところから、皮屋、皮坊、皮太、茶筅、御坊、鉢屋、
簓
(
ささら
)
、説教者、博士など、種々の名称があるが、要するに河原者と云い、坂の者と云い
賤民概説
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
簓
(
ささら
)
・説経・祭文・市子・梓巫の輩、あるいは田楽(猿楽)・万歳・春駒・
夷舁
(
えびすかき
)
、大黒舞・傀儡師などの諸芸人、あるいは山陰道筋に多い鉢屋(大和などにも警吏の一種にこの名があった)
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
“簓(ささら)”の解説
ささら(簓)とは、竹や細い木などを束ねて作製される道具の一つである。洗浄器具として用いられるほか、楽器や日本の伝統的な大衆舞踊の際の装身具の一部としても用いられる。また、これを伴奏楽器として用いる音曲や舞踊を「ささら」と称することも多い。
(出典:Wikipedia)
簓
漢検1級
部首:⽵
17画
“簓”を含む語句
簓者
簓踊