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立歸
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たちかへり
僞りし
佛罰にて空恐しき目に逢しならん早々御
詫をすべしと下
男吉平へ申付て原澤村へ
立歸させ
番頭忠兵衞へ内談の上金子を取寄せ身延山へも金十兩を
納めて御
詫をなし
漸々日數を
實と思ひ早速
立歸て雅樂頭殿へ
此由を
相待ける其日の夕暮に及び尼寺へ
行し人々は
立歸けるが女中にはまだ彼寺へは來らざる由なれば
皆々只驚く
計りなり
就ては龜屋徳右衞門に
不審が掛り
追々疑はしきこともあれば此事
終に代官所の
沙汰となり
吟味強くなりて龜屋徳右衞門の家内は