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窺知
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きち
ふりがな文庫
“
窺知
(
きち
)” の例文
彼らが凡人よりも早く事物の要点を見る
明晰
(
めいせき
)
の頭脳を有することは疑いなきも、また凡人の
窺知
(
きち
)
し得ざる苦労を
経
(
ふ
)
るのである。
光圀卿
(
みつくにきょう
)
の
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
勃然
(
ぼつぜん
)
としてその
深奥
(
しんおう
)
にして
窺知
(
きち
)
すべからざる、巧妙なる、美妙なる、奇妙なる、霊妙なる、麗質を、惜気もなく発揚し
了
(
おわ
)
った。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
虎之助などの若い観念では、
窺知
(
きち
)
することさえできない大きな真実が、老人の五躰から光りを放つように感じられた。
内蔵允留守
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
綴
(
つづ
)
っていたてる女が覚えているのに「
春鶯囀
(
しゅんのうでん
)
」と「六の花」の二曲があり先日聞かしてもらったが独創性に富み作曲家としての天分を
窺知
(
きち
)
するに足りる
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お信さんの境遇——伯父やお雪さんや森田等との間の複雑な関係や情実、さういつた大人の世界は、まだ私の
窺知
(
きち
)
や理解や批判の範囲外にあつたのであつた。
乳の匂ひ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
▼ もっと見る
霊界の用うる手段たるや、何れも巧妙をきわめ、とても地上の人間には
窺知
(
きち
)
し得ないところがある。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
この左膳の気を
窺知
(
きち
)
したものか、何にまれ容易に驚かず、たやすく発動したことのない月輪軍之助、普段のぼうっとした性に似げなく、覚悟に決然と口を結んで左膳を見返す。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それから、長州の人傑の近況が一くさり
噂
(
うわさ
)
に上ったことでしょう。やがて順序を得て、今日の来訪の理由の眼目に進んで密談が
酣
(
たけな
)
わになるほど、外間の
窺知
(
きち
)
を許さないものがある。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それから、語り終えると法水は言葉を改めて、いよいよ、黒死館殺人事件の核心をなす疑義中の疑義——どんなに考えてもとうてい
窺知
(
きち
)
し得べくもなかった、伸子の殺人動機に触れた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
わたくしは
忌憚
(
きたん
)
なき文字二三百言を
刪
(
けづ
)
つて此に写し出した。しかし其
体裁
(
ていさい
)
措辞
(
そじ
)
は大概
窺知
(
きち
)
せられるであらう。丁卯は慶応三年である。大意は「人君何天職」の五古を
敷衍
(
ふえん
)
したものである。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
この一、二年間のヨーロッパには、日本人の容易に
窺知
(
きち
)
し難い進歩があった。
世界の変革と芸術
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
“窺知”の意味
《名詞》
探って知ること。窺い知ること。
(出典:Wiktionary)
窺
漢検準1級
部首:⽳
16画
知
常用漢字
小2
部首:⽮
8画
“窺”で始まる語句
窺
窺見
窺視
窺窬
窺伺
窺寄
窺得
窺測
窺覗
窺込