窮地きゅうち)” の例文
むろん、彼のこうした落ちつきは、彼が幼いころから、窮地きゅうちに立った場合いつも発揮して来たところで、いわば彼の本能であった。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
きたしょうへかえれば、軍罰に照らされて首を打たれるは必定ひつじょう。といって戦場にとどまれば、秀吉ひでよしの手におさえられて、生恥いきはじをかかねばならぬ窮地きゅうちに落ちたのでござる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、それは、ますますかれからだ窮地きゅうちおとしいれるものだということにづかなかったのです。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
右京を窮地きゅうちおとしいれた上、吉弥を亡きものにして、京之助に家督を継がせる魂胆こんたんをめぐらし、着々それを、実行していた事を平次に証明されて、今さら驚きあきれるばかりでした。
窮地きゅうちにいる恋人を救おうなどという気もちから、ああして父親と喬之助の間へ身を投げ出して、自分でもおどろくような口をきいたわけではなく、あれはただ、父壁辰から受けいでいる江戸ッ児
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
帆村は、にわかに、一大窮地きゅうちへほうりこまれた!
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
このうえは、家康がどうでるか、敵のでようによってこの窮地きゅうちから活路かつろをひらくか、あるいは、浜松城の鬼となるか、武運の分れめを、一きょにきめるよりほかはない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分で自分を窮地きゅうちおとしいれて苦労をしてみるのも面白いではないか、という意見が出、更にそれが、「無計画の計画」という大沢の哲学めいた言葉にまで発展して、翌日から
次郎物語:03 第三部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
先方のはらが、それによって激論げきろんをまきおこし、日本精神とか時局とかの名において、こちらを窮地きゅうちに追いこみ、あわよくば重大な失言をさせようとしていることは明らかであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)