ひいづ)” の例文
土曜日であるからひかるひいづは午後一人は木下さんへ、一人は本多さんへ遊びに行つた。三時過ぎにやつと選歌の原稿が出来た。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
よ、看よ、木々の緑も、浮べる雲も、ひいづる峰も、流るるたにも、そばだいはほも、吹来ふきくる風も、日の光も、とりの鳴くも、空の色も、皆おのづから浮世の物ならで、我はここにうれひを忘れ、かなしみを忘れ、くるしみを忘れ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
女の子の二人は元園町へ遊びに行つた。送つて行つたひいづは帰つて来るとまたぐ藤島さんへ行くみつと、水道橋の停車ぢやうまで一緒に行つた。天野さんが来てそれからおてるさんが来た。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
話しながら私は去年の五月の初めにこの人などと一緒にした旅がしきりに思ひ出された。煙草たばこをすゝめるとクロノースを二本廣川さんは飲んだ。ひかるひいづが帰つてから女の子をれて湯屋へ行つた。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)