“吹来”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふききた50.0%
ふきく50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吹来ふききたり、吹去る風は大浪おほなみの寄せては返す如く絶間無くとどろきて、そのはげしきは柱などをひちひちと鳴揺なりゆるがし、物打倒すひしめき、引断ひきちぎる音、圧折へしおる響は此処彼処ここかしこに聞えて、唯居るさへにきもひやされぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
よ、看よ、木々の緑も、浮べる雲も、ひいづる峰も、流るるたにも、そばだいはほも、吹来ふきくる風も、日の光も、とりの鳴くも、空の色も、皆おのづから浮世の物ならで、我はここにうれひを忘れ、かなしみを忘れ、くるしみを忘れ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)