ゐや)” の例文
新字:
次に佐佐宜の王は、伊勢の神宮をいつきまつりたまひき。この御世に、竺紫つくしの君石井いはゐ、天皇の命に從はずしてゐや無きこと多かりき。
老いたる教師ハツバス・ダアダアのボルゲエゼ家の車のしるしに心づきて、蹣跚まんさんたる歩をとゞめ我等をゐやしたるは、おもはずなる心地せらる。
立上りゐやする熊が月の輪の白きをでて芋を與へし
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
ゐやにはあつき「歌」なれば、よしそれたゞ
歌よ、ねがふは (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ゐやをするとや石人せきじんは身をこごめたり
一点鐘 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
然れどもこともちて白す事は、それゐやなしと思ひて、すなはちその妹の禮物ゐやじろとして、押木の玉縵たまかづらを持たしめて、獻りき。
鐘の音再び響き、奏樂又起りぬ。われ等の乘れる車の此辻を離るゝとき、ベルナルドオが馬、側を過ぎたり。馬上の友はアヌンチヤタと媼とにゐやして、我をば顧みざりき。
暇乞いとまごひして出でんとせしとき、夫人は館を顧みてのたまふやう。學校は智育に心を用ゐると覺ゆれど、作法の末まではゆきとゞかぬなるべし。この子のゐやするさまこそ可笑しけれ。
その王たち一六ゐやなきに因りて退けたまへる、こはしき事無きのみ。