相撲ずもう)” の例文
第一は長助が十八貫めもあった大兵肥満たいひょうひまんの男だったということ、第二はまえにもいったように葛飾かつしか在の草相撲ずもう上がりであったということ
桂君は学校では少年相撲ずもうの選手をしているほどで、腕におぼえのある豪胆ごうたんな少年でしたから、裏通りの近道を、テクテクと歩いていきました。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
後詰ごづめとして、そちらへ出張して行く——と見れば不自然でも、意外でもなんでもないことですが、ただマドロス君の海の中に於けるひと相撲ずもう
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この三月二十八日は、例年、泰安州たいあんしゅう東岳廟とうがくびょうの大祭で、また例年きまって、有名な「奉納相撲ずもう」がおこなわれる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
軽業かるわざ、女相撲ずもう江州音頭ごうしゅうおんど海女あま手踊ておどり、にわかといったたぐいのものがすこぶる多かった、その中でも江州音頭とか海女の手踊、女軽業などというものになると、これは踊りや芸その物よりも
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「お豆腐のたきたては奈何いかがでごわす」などと言って、内儀さんが大丼おおどんぶりに熱い豆腐の露を盛って出す。亭主も手拭を腰にブラサゲて出て来て、自分の子息が子供相撲ずもうに弓を取った自慢話なぞを始める。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ははあ、あいつは女相撲ずもうだな。こっちの小屋掛けは軽業かるわざ一座。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これらは独り相撲ずもうりきんでおる人である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「な、九重さま。あなた、わたしのひいき相撲ずもうに、断わりなしでご声援なさいましたら、そのままではほっておきませぬぞ!」
「いや、あしたは、いよいよ奉納相撲ずもう。こんどは、がらになく、よく辛抱をしなすったね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地獄極楽の血なまぐさいいき人形と江州音頭ごうしゅうおんどの女手踊りと海女あまの飛び込み、曲馬団、頭が人間で胴体が牛だという怪物、猿芝居二輪加さるしばいにわか、女浄るり、女相撲ずもう、手品師、ろくろ首の種あかし
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
独り相撲ずもうで強い人
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
それらが今と違ってみんな頭にちょんまげがあるんですから、同じまげでも国技館の三階から幕内相撲ずもうの土俵入りを見おろすのとは少しばかりわけが違いますが、だから
「でも、あの御前相撲ずもうがうち終わってからまもなく外出をしたことは確かでござろうがな!」
例年なにかお催し物をするしきたりでしたが、で、ことしも慣例どおりなにがな珍しい物を催そうと、いろいろ頭をひねった結果が、上覧相撲ずもうをということに話が決定いたしました。