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百日紅
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ひゃくじつこう
ふりがな文庫
“
百日紅
(
ひゃくじつこう
)” の例文
杉の
生垣
(
いけがき
)
をめぐると突き当たりの
煉塀
(
ねりべい
)
の上に
百日紅
(
ひゃくじつこう
)
が
碧
(
みどり
)
の空に映じていて、壁はほとんど
蔦
(
つた
)
で埋もれている。その横に門がある。
河霧
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
初夏
(
はつなつ
)
の
夕映
(
ゆうばえ
)
の照り輝ける中に門生が誠意を
籠
(
こ
)
めて
捧
(
ささ
)
げた
百日紅
(
ひゃくじつこう
)
樹下に淋しく立てる墓標は池辺三山の奔放
淋漓
(
りんり
)
たる筆蹟にて墨黒々と麗わしく二葉亭四迷之墓と
勒
(
ろく
)
せられた。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
石榴
(
ざくろ
)
の花と
百日紅
(
ひゃくじつこう
)
とは燃えるような強い色彩を
午後
(
ひるすぎ
)
の炎天に
輝
(
かがやか
)
し、眠むそうな薄色の
合歓
(
ねむ
)
の花はぼやけた
紅
(
べに
)
の
刷毛
(
はけ
)
をば
植込
(
うえご
)
みの蔭なる夕方の
微風
(
そよかぜ
)
にゆすぶっている。単調な蝉の歌。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その内に彼等の
旅籠
(
はたご
)
の庭には、もう
百日紅
(
ひゃくじつこう
)
の花が散って、
踏石
(
ふみいし
)
に落ちる日の光も次第に弱くなり始めた。二人は苦しい焦燥の中に、三年以前返り打に遇った左近の
祥月命日
(
しょうつきめいにち
)
を迎えた。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かの石の鳥居まで、わが家より赴くには、路のほどいと
遥
(
はるか
)
なりと思いしに、何事ぞ、ただ鼻の先なる。宮の境内も
実
(
まこと
)
に広からず、
引抱
(
ひっかか
)
えて押動かせし
百日紅
(
ひゃくじつこう
)
も、肩より少し上ぞ
梢
(
こずえ
)
なる。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
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大きな
百日紅
(
ひゃくじつこう
)
がある。しかしこれは根が隣にあるので、幹の半分以上が横に
杉垣
(
すぎがき
)
から、こっちの領分をおかしているだけである。大きな桜がある。これはたしかに垣根の中にはえている。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“百日紅(サルスベリ)”の解説
サルスベリ(百日紅・猿滑、学名: Lagerstroemia indica)は、ミソハギ科サルスベリ属の落葉小高木。別名は、ヒャクジツコウ。すべすべした幹肌が特徴で、夏から秋の長期にわたって紅色の花が咲く。
(出典:Wikipedia)
百
常用漢字
小1
部首:⽩
6画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
“百日”で始まる語句
百日
百日鬘
百日咳
百日男
百日草
百日課
百日百夜
百日風邪