“ひゃくじつこう”の漢字の書き方と例文
語句割合
百日紅100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その内に彼等の旅籠はたごの庭には、もう百日紅ひゃくじつこうの花が散って、踏石ふみいしに落ちる日の光も次第に弱くなり始めた。二人は苦しい焦燥の中に、三年以前返り打に遇った左近の祥月命日しょうつきめいにちを迎えた。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
かの石の鳥居まで、わが家より赴くには、路のほどいとはるかなりと思いしに、何事ぞ、ただ鼻の先なる。宮の境内もまことに広からず、引抱ひっかかえて押動かせし百日紅ひゃくじつこうも、肩より少し上ぞこずえなる。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大きな百日紅ひゃくじつこうがある。しかしこれは根が隣にあるので、幹の半分以上が横に杉垣すぎがきから、こっちの領分をおかしているだけである。大きな桜がある。これはたしかに垣根の中にはえている。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)