白石しらいし)” の例文
その他肥前の窯場として、注意すべきは白石しらいし鉛釉なまりぐすりの陶器や、黒牟田くろむたの品であります。前者の土鍋は多彩で美しく、飯鉢はんばちにもよいのがあります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「荻窪ですの。駅の前の、白石しらいしというおでんやさんへおいでになれば、たいてい、行く先がおわかりかと思います」
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
左伝通読十一偏その中、塾も二度か三度かえた事があるが、最も多く漢書をならったのは、白石しらいしと云う先生である。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
自分は𤍠い二杯の老酒ラオチウに酔つて更に諸友と馬車を駆り、日本人の多く住む米租界の呉淞路ウウソンロを過ぎ、北四川路きたしせんろ新公園ニウガアデン白石しらいし六三郎氏の別墅べつしよ六三園に小憩した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
そこで国臣が雲浜張りで立案した新規のプランは、長州竹崎の白石しらいし兄弟と三宅を結びつけて、改めて薩長備中三国の間に特殊な貿易網をつくりあげることだった。
志士と経済 (新字新仮名) / 服部之総(著)
奥州おうしう白石しらいし城下じやうかより一里半いちりはんみなみに、才川さいがはえきあり。才川さいがは町末まちずゑに、高福寺かうふくじといふてらあり。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私はあんたがこの邸に来た日からあんたの様子に心をひかれました。あんたは白石しらいし松江ではなく、ほんとうは田所君子であることもよく知っています。安心してください。
抱茗荷の説 (新字新仮名) / 山本禾太郎(著)
かねがね、惣左どのに仰せくだされて、こよい来い、うてやるとの、老公さまのおことばに甘え、お約束の頃おいと、参じました者でございまする。——白石しらいしの後家、雪乃とおつたえ下さればわかりましょう。よろしゅうお取りつぎを
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
按摩を学ぶ中津なかつに居て十六、七歳のとき、白石しらいしと云う漢学先生の塾に修業中、同塾生の医者か坊主か二人、至極しごくの貧生で、二人とも按摩あんまをしてしのいで居る者がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
仮令たとい舌足らずでどもった所が意味は通ずると云うようなものだなんて大造たいそうな剣幕で、先生から教込おしえこまれたから、私共も山陽外史の事をば軽く見て居ました。白石しらいし先生ばかりでない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)