白旗はくき)” の例文
間に合せに出した白旗はくきもあるが、二つどもゑに五しきで九曜の星をとり巻かせたり、「我漢復振わがかんまたふるふ」などと大書たいしよしたりしたものもある。申報しんぱうの号外を子供が売つて歩く。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
航空母艦『オリオン』が一ばんに白旗はくきをかかげた。つづいて、運送船がわれもわれもと白旗をひるがえす。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
われこそはおと名高なだか印度洋インドやう大海賊船だいかいぞくせんなり、なんぢ新造軍艦しんざうぐんかんうばはんとて此處こゝつこと久矣ひさしすみやか白旗はくきてゝその軍艦ぐんかん引渡ひきわたさばよし躊躇ちうちよするにおいては、われに七せき堅艦けんかんあり
まして、秋の初の清く澄みたる空氣は明かに、山々のいたゞき白旗はくきを飜したらんごとき雲の長くおもしろくなびけるなど誰かつく/″\と眺入りて、秋の姿のさびしさに旅思を惱まさぬものかあらん。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)