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癲狂院
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てんきょういん
ふりがな文庫
“
癲狂院
(
てんきょういん
)” の例文
そのために伝右衛門は発狂して松沢村の
癲狂院
(
てんきょういん
)
に送られてしまった。それにも拘わらず、僕は銀座裏のカフェで浦部俊子に会ったんだ。
殺人迷路:09 (連作探偵小説第九回)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
いい気持に寝ころがって、二年間も制作から離れていられる所があったら!
仮令
(
たとえ
)
それが
癲狂院
(
てんきょういん
)
であっても、私は行かないであろうか?
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この作品はやがてチェーホフの『六号室』などによってうけつがれる一系の
癲狂院
(
てんきょういん
)
小説の、きららかな源泉をなすものであった。
「あかい花 他四篇」あとがき
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
牢獄か
癲狂院
(
てんきょういん
)
か、どの道我が子は助からないのだ。彼の頭には陰惨な人生の両極がまざまざと描かれた。暗い考えが夜のように彼の心をとざして来る。
予審調書
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
最後にあの令嬢の
弾
(
ひ
)
くオルガンが、まるでこの
癲狂院
(
てんきょういん
)
の建物のつく
吐息
(
といき
)
のように、時々廊下の向うから聞えて来た。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
そうでなければ、人々は口々に
饒舌
(
しゃべ
)
っていても世界は
癲狂院
(
てんきょういん
)
かバベルの塔のようなものである。
言語と道具
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
何やらこう
尻尾
(
しっぽ
)
も
翼
(
はね
)
も失せたような生活、何やらこう
痴
(
たわ
)
けきった
代物
(
しろもの
)
だが、さりとて出て行きも逃げ出しもできないところは、
癲狂院
(
てんきょういん
)
か監獄へぶち込まれたのにそっくりだ!
犬を連れた奥さん
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
その時博士の諸友これを発狂の所作として申告した内に
癲狂院
(
てんきょういん
)
を司るシムモンス博士あり。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
ロバート・シューマン(Robert Schumann)は、一八一〇年六月ドイツのサクソニーの本屋の子として生まれ、一八五六年七月、
癲狂院
(
てんきょういん
)
(精神病院)の一室で死んだ。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
ビセートルの
癲狂院
(
てんきょういん
)
にでも入れられたかも知れませんよ。あなたが死なれたら、私はどうなると思います? そしてあなたの娘さんは!
果物屋
(
くだものや
)
の上さんは訳がわからなくなるでしょう。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ダルドルフの
癲狂院
(
てんきょういん
)
に入れんとせしに、泣き叫びて
聴
(
き
)
かず、のちにはかの襁褓一つを身につけて、幾度か
出
(
いだ
)
しては見、見ては
欷歔
(
ききょ
)
す。余が病牀をば離れねど、これさえ心ありてにはあらずと見ゆ。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
彼の
歌曲
(
リード
)
は野獣の
唸
(
うな
)
り声に似ており、彼の
交響曲
(
シンフォニー
)
は
癲狂院
(
てんきょういん
)
から発する趣きがあり、彼の芸術はヒステリー的であり、彼の
痙攣
(
けいれん
)
的な
和声
(
ハーモニー
)
は心情の乾燥と思想の空粗とをごまかそうとしたものである
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
同地の
癲狂院
(
てんきょういん
)
に収容された。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
彼は私と同じ都に生れ、同じ様に病弱で、身を持ち崩し、人に嫌われ、悩み、果は、(之だけは違うが)
癲狂院
(
てんきょういん
)
で死んで行った。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
最後にどこかの
癲狂院
(
てんきょういん
)
で、絶命する事になるんだそうだ。ついてはその癲狂院の生活を描写したいんだが、
生憎
(
あいにく
)
初子さんはまだそう云う所へ行って見た事がない。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「もうそろそろ出かけなくっちゃ。——じゃ
癲狂院
(
てんきょういん
)
行きの一件は、何分よろしく取計らってくれ給え。」
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
癲
漢検1級
部首:⽧
24画
狂
常用漢字
中学
部首:⽝
7画
院
常用漢字
小3
部首:⾩
10画
“癲狂”で始まる語句
癲狂