生際はへぎは)” の例文
目の細い、生際はへぎはや眉がキツパリと塗つたやうに濃い顔はいけない。鼻筋の通りすぎたのも却つてよくない。
女の顔:私の好きな (新字旧仮名) / 黒田清輝(著)
今夜こんやまた木戸番きどばんか、なんたらこと面白おもしろくもないと肝癪かんしやくまぎれに店前みせさきこしをかけて駒下駄こまげたのうしろでとん/\と土間どまるは二十のうへを七つか十か引眉毛ひきまゆげつく生際はへぎは
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
生際はへぎはの好い人は其れでも好いが、さうでない人は何とか工夫を施したいものである。日本の様にむき出しにしなければならない事になつたら、巴里パリイの美人の数は日本と同じ位にも減る事であらう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
然るに今日は全く彼はやつれて居た。引続いての多忙と、引続いての寝不足とが、彼の顔色を蒼ざめさせ、生際はへぎはのあたりにいくらかの雲脂ふけさへ見える。美しい彼の頬にもすさんだ色があらはれてゐた。
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
今夜も又木戸番か、何たら事だ面白くもないと肝癪かんしやくまぎれに店前みせさきへ腰をかけて駒下駄こまげたのうしろでとんとんと土間をるは二十の上を七つか十か引眉毛ひきまゆげに作り生際はへぎは
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)