生擒せいきん)” の例文
彼は果して大拿翁だいなおう〔ナポレオン一世〕の如く、敗衄はいじくのあまり、敵国に生擒せいきんされ、空しく遠謫えんたくの最後を見るか、あるいはしからずして、かかる不幸よりまぬかるるを得るか。
列強環視の中心に在る日本 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
或時は村内の愛弟愛妹幾人となく引きつれて、夏の半ばの風和き夜な/\、舟綱橋ふなたばしあたりに螢狩りしては、団扇うちはの代理つとめさせられて数知れぬ流螢りうけい生擒せいきんしたる功労もこれにあり。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
途中とちう大なる蝮蛇まむしの路傍に蜿蜒えん/\たるあり、之をへば忽ち叢中さうちうかくる、警察署の小使某ひとり叢中にり、生擒せいきんして右手にひつさきたる、衆其たくふくす、此に於て河岸に出でて火をき蝮のかわ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)