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理不盡
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りふじん
きり/\と
卷上れば御城代堀田相摸守殿
平伏致され少し
頭を上て恐れ乍ら今般
如何なる事ゆゑ
御上坂町奉行へ
御屆もなく
理不盡に
御紋付の御幕を
理不盡なる
怒の
切先、
只一突にとマーキューシオー
殿の
胸元をめがけて
突いてかゝりまする、
此方も
同じく
血氣の
勇士、なにを
小才覺なと
立向ひ
ジョン・リードの
理不盡な虐待振りや、彼の妹の
權高な冷淡さや、彼等の母が私に示す
嫌惡の情や、召使ひの寄せる
依怙ひいきが、濁つた井戸の暗い
沈澱物を掻き𢌞すやうに
書面にし訴へ
出町奉行所にては是ぞ大坂に
噂の有者
併し
理不盡の振舞なりとて早速役人を出張せしめ速かに
召連參るべし仰せ
畏り候とて
手附の與力兩人を
賣候百兩の金子
紛失致せしに付右は私し
盜み取候に相違なしと
理不盡なる
云懸仕つり候ゆゑ私し儀市之丞より
差越たる金子の
譯を申聞ると雖も一向
双合ず却て盜賊の
汚名を