キング)” の例文
「黙つてゐては分らない。何とか返事をなさい!」日本の大正のキングリアは、かう云つて石のやうに黙つてゐる子に挑んだ。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
然しトランプのキングも王剣をふるはなかつた。歌留多の読手も声が続なかつた。その中沢田がふと道夫の机の上にある「少年」の新年号に眼を附けた。
喜びと悲しみの熱涙 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
その前に、ちょっとサモンの話をしておこう。ユーコン河をのぼってくる鮭はキングドックレッドシルバーの四種になっている。
南部の鼻曲り (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一つにはまた『オセロー』の作品その物が『マクベス』とか『キングリア』とかに較べて悲痛の成分を多分に盛られているから、演じ易いのではなかろうかとも思われた。
シェイクスピアの郷里 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
ほんにしなよきかの國のわかいキングもさみしかろ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
吾をして無韻の国土のキングたらしめよ
音響 (新字新仮名) / 今野大力(著)
「黙っていては分らない。何とか返事をなさい!」日本の大正のキングリアは、こうって石のように黙っている子に挑んだ。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
王鮭キングサモンは、ほかの三君が二フィート半からせいぜい三呎どまりなのに、長さは四呎半、胴廻りすら一呎半もあって、キングというより化物モンスターというほうがいいような雄大なやつだ。
南部の鼻曲り (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
おれは魚揚ビッチフィッシュの助に出て、キングドックを選り分けては魚切機ブッチャーミシンへ行くエレベーターへ投げこんでいると、モオリーが事務所オフィスのほうからぶらぶらやってきて、魚揚機フィッシュデッキのそばへ立って見物をはじめた。
南部の鼻曲り (新字新仮名) / 久生十蘭(著)